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いつも⾵の森をご愛顧いただきまして厚く御礼申し上げます。

来る1月23日、クラフトビールメーカー奈良醸造様とのコラボレーションによる、
玄米醸造の風の森ALPHA8を発売いたします。

●きっかけはビール醸造家、浪岡さんとの出会いから。
このお酒を造るきっかけになったのは、同じ奈良県内でビールを造られている奈良醸造の浪岡さんとの出会いからです。
一昨年前からのコラボ企画、奈良醸造さんが造られたビール”UNDERWATER”(風の森の仕込み水・風の森7号酵母・風の森の米麹を使用)の味わいに、
まるで風の森とビールの間に生まれた子供のような個性を感じました。
そのビールを飲んだとき、日本酒の醸造家としてなにか面白い日本酒は造れないかと考えました。

●まったく磨かない焙煎玄米による日本酒造り
そこで誕生したのがALPHA 8です。
お米を蒸さずにビールの原料の麦芽(モルト)のように煎ることでお米を分解しやすくし、
特有の美味しさを表現します。
お米を全く磨かない玄米で日本酒を仕込むことが可能になるのです。
このように焙煎玄米を用いた醸造法をAmorphous(アモルファス)製法と名付けました。

前回までの仕込みでは、
玄米が持つ大地のエネルギー(ミネラルやタンパク質)が強すぎるため発酵力が旺盛で、
糖化と発酵のバランスがとりにくい状況でした。
味わいも穀物味のあるワイルドさに溢れていました。
その経験から今年は一層ブラッシュアップした酒質になるよう3つのバージョンアップを行いました。

❶ついに100%玄米使用、より深煎りに
前回までは原料の一部に白米も使用していましたが、今回は100%玄米を用いて醸造しました。
しかし玄米は磨いた白米よりも溶けにくいため、
溶解性を高めるため焙煎温度と時間を工夫し、より深煎りにした玄米を用いました。
また、過剰なタンパク質や油分を焙煎工程によって低減させる効果も期待しています。

❷ビールの醸造法に倣い糖化を先行
日本酒は通常、醪の段階で糖化と発酵が同時並行して行われます。
それに対しビールは、麦芽(モルト)の糖化過程と酵母による発酵過程を別のタンクで行い造られます。
その製法に倣い、あらかじめ米と麹のみをタンク内で糖化させ、醪の糖度を上げておくことで、
エネルギー溢れる玄米の醪のなかでも酵母の発酵を抑えることに成功しました。

❸菩提酛へ
風の森ALPHAシリーズの全量菩提酛化に伴ってALPHA8も菩提酛化。
これによって多重層化した味わいを実現し、今まで以上に地域性あふれる日本酒として、
より奈良酒らしさを表現したい思いです。
この奈良という地で日本酒の歴史を纏ったお酒を醸せることは私たちの誇りです。

今回からALPHA 8でも菩提酛を用いたことで、出来上がったお酒に含まれる有機酸は前回の1.5倍の量になりました。
また、これらのバージョンアップによって発酵力を抑え糖化と発酵のバランスがとれたことで、
搾りたてのときには巨峰のような香りを感じ、やや甘口ながらも有機酸による酸味から軽やかな口当たり、
果実を使って仕込んだサワーエールを想わせるせる味わいに仕上がっています。

奈良醸造 ”UNDERWATER”との同時発売
【1月23日同時発売】
どうぞこの機会に両方のユニークなお酒をお楽しみいただけますと幸いです。

どうぞ宜しくお願いいたします。

令和5年1⽉吉⽇ 油⻑酒造株式会社 13代 ⼭本⻑兵衛

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風の森 ALPHA 8 大地の力 2022
奈良県産秋津穂100%使用
玄米使用100%
アルコール分 14度
無濾過無加水生酒
500ml入り
1月23日発売